素早い復旧工事で、何事もなかったように都市生活が再開しました。
それぞれの工種ごとにドラマがあったようです。
流動化処理土の埋め戻し材料調達から始まり
上下水道、ガス、NTT、電気、等ライフラインの仮復旧
そして天気待ちでの舗装、見事な手際でした。
(上部判断面・頂部導坑先進工法)
(追加地質調査は行われていた)
前回愛読者さんからの質問回答にも記載しましたが、施工側担当者は追加ボーリングを実施し
掘削高さの変更を求めたようです
(日経コンストラクション)
関係者によると、市は10年に現場付近のボーリング調査を実施。遮水性を確保するためにトンネルの上部に2メートル以上の厚さの岩盤を確保できると判断し、掘削面にコンクリートを吹き付け、補強しながら進む「ナトム工法」を採用した。 施工業者側が昨年10月、地質の状況を確認するために最初にボーリングした場所の近くを再度ボーリング調査したところ、岩盤が傾斜し、予想より深い位置にあることが判明。トンネル上部に2メートル以上岩盤を確保できないことが分かり、施工計画を変更し、トンネルの天井の高さを当初の設計より1メートル低くしたという。
(施工側)
掘削が建物に与える影響を0.1mmまで監視できるとしていたようですが、その技術が今回の陥没に役立つことはありませんでした。
(地層:堆積岩類の頁岩とは)
堆積岩
流水により運ばれてきた砕屑物(さいせつぶつ、風化・浸食により細かくされた岩石・鉱物の粒子)が水底で堆積してできた岩です。(溶岩でできた岩が火山岩・火成岩です)
頁岩の特徴
新鮮なときは(地表面に現れるとき・掘削時の状態)硬く、強度もあるのですが空中(風・雨・空気・温度変化)にさらされると風化が極端にはやく表面はボロボロとなり、足でけってももろく崩れる状態となります。このような風化帯を岩盤のなかに含んでいることもあります。
(事故前日の切羽)
事故前日のトンネル工事現場。視察に訪れていた福岡市議が偶然、撮影していました。撮影から約14時間後、重機がある付近でトンネルを拡幅している際に崩落してしまいました。
重機の足元
掘削した岩盤で新鮮で強度もありそうですが手前のホース付近は若干の湧水で
べたついています。
支保工 鉄の枠が命の支え
支保工間隔が一掘進長で、掘削~支保工建込、コンクリート吹き付けまでの数時間、トンネルが自立しなければ崩落します。(海辺の砂遊び、トンネルを掘っても暫くは自立しますが水をかけ、トンネル内に水が入るとすぐに壊れてしまいます。)崩れる前に補強しトンネルの安定をはかるのです。
(昔の話)
以前、トンネルの安定には支保工と木材の板(矢板)や丸太の半割などが用いられ、坑夫さんたちは山が悪ければ補強しながら(山を縫いながら)掘削をしていました。崩落を自分達の腕と汗で防いでいたのです。山を観て知る感覚を持っていないと命が足りません
<なにが崩落させたのか>
調査、施工計画も万全の態勢で挑んだ工事のはずが
なぜこのような重大な事故をまねいたのでしょうか
天井を1m程度拡幅する。
すでに山も解っているし
先進導坑掘削時より危機感が薄れていた・・・・かもです
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